「キリストの復活」は、ファッツィーニにとっては、命をかけた作品だった。 もちろん、ヴァチカン宮殿謁見の間に設置されることは作家としてこの上ない名誉なことであるが、それ以上の愛情をファッツィーニはこの作品に捧げていた。 制作は困難を極め、夜遅くまで続くことも多かったが、ファッツィーニの情熱はとどまるところを知らなかった。 助手としてファッツィーニとともに制作に携わったことはもちろん、そんなファッツィーニの姿をこの目で見ることができたことは、私のライフワークへの大きな影響を与えたと思っている。